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不動産に関するお役立ちコラムや、所沢の街づくりに関わる方々へのインタビュー、
北斗スタッフのニュースなど、さまざまな情報を更新しています。

ほくとと

所沢で地域活動をしている方々の
インタビューをご紹介します。

  • ほくとと インタビュー

ところざわ地域ケアの会 代表理事|増川信行さん

インタビュー 増川信行さん_01

所沢市でも高齢化が進み、地域住民の介護予防への関心が高まっています。今回は、「デイサービス琴平」代表で、地域の介護職同士が情報交換できる会を設立したり、医療・介護・福祉職従事者の連携する会の中心メンバーとして、地域の介護予防力を強め、高齢者の孤立化と認知症の重症化を防ぐ活動を行っている増川信行さんを取材させていただきました。

増川 信行(ますかわ のぶゆき)さん

1957年、東京都新宿区生まれ所沢市育ち。大学卒業後、実家の手打ちそば店を継ぐ。父親の介護経験から介護の在り方に疑問を抱き、幼馴染みとともに「NPO法人麦畑」を設立。2011年、「デイサービス琴平」を開業。2016年、介護職の交流の場「ところざわ地域ケアの会」の設立をきっかけに、「とこ地区ささえあいを考える会」の発足の働きかけ、「とこ地区ささえあい塾」の提案など、認知症予防の仕組み作りを精力的に行っている。

  • 松本長寿さん_02
父親が受けた介護に切ない思い。
そば店経営から介護福祉士へ

――増川さんが、介護福祉事業を始められたきっかけは何ですか?

「もともとは、そば店を営んでいたんですが、14年前に亡くなった父の介護の現状に疑問を持ったのが、転職のきっかけでした。父はすい臓がんで認知症を患っていましたから、病院の介護に頼っていたのですが、その時に感じたのは、認知症になっても自尊感情はあるのに、それを無視されているような…。そんな印象を受け、とても切なかったんです」

「当時、僕のそば店には小中学校の同窓生がよく集まっていて、年代的にも親の介護の話がよく出ていました。そんな中、実際に親の介護をしている同級生も僕のように親の気持ちや意思を尊重しながら、生活に寄り添える介護をしてあげたいと思っていたんですね。それなら自分たちで『みんなが安心して親の介護を頼める場所』を作れるんじゃないかと思ったのです」

「そして、2009年に同窓生と一緒に、高齢者や障がい者、その家族の支援をおこなう『NPO法人麦畑』を立ち上げ、2011年に『デイサービス琴平』を始めました」

ゆとりのある眼差しで接することで
介護される側との信頼関係が築ける

――増川さんが介護で大切にしていることは何ですか?

「恥をかかせない心遣いで信頼関係を築くことです。そのために大切なのは、ゆとりのある眼差し。介護する人の目つきが、忙しさに追われて、険しい目つきのまま接すると、相手は心を開いてくれませんが、ゆとりのある眼差しを持って接することで、介護される側も安心してこちらの話しに耳を傾けてくれるんですね」

「以前、お風呂に2年近く入っていないという独居のおばあちゃんがいました。僕はその方の環境を何とか改善したくて、『デイサービスには同世代の方が沢山いて楽しいよ』と毎週お宅に訪ねました。はじめは門前払いだったのですが、次第に会話もしてくれるようになり、半年通い詰めてようやく『あんたがそんなに言うなら、行ってやってもいいよ』と。僕はその時本当に嬉しくて、さっそく来ていただき、さりげなく誘いお風呂に入っていただきました」

「その後、ご本人の希望で週に2回『デイサービス琴平』に通ってもらえるようになり、身なりも見違えるほど綺麗になって生活の質も健康も大幅に改善されました。ゆとりの眼差しで相手の気持ちに寄り添って接すれば、信頼関係は必ず築けると思っています」

医療と福祉の専門職間の連携で
地域住民に最適なケアを提供

――増川さんが地域の認知症予防や介護予防に取り組みはじめたきっかけは何ですか?

「以前はこの地域では、介護職や事業所同士の横のつながりが全くありませんでした。介護職は忙しくて大変な仕事ですが、同じ介護職に関わる人たちがつながりを持つことで解決できることも多いのではと考え、介護・福祉職が集まる『ところざわ地域ケアの会』を設立しました。『ケアの会』では、先人の福祉について勉強したり、介護職同士で悩みを相談したり、情報交換したりすることで、会員の知識向上ができ、自身の進化を感じ、それぞれが介護職に誇りを持てるようになりました。そして、つながることの大切さを実感したんですね」

「ならば、次は、介護と医療と福祉の多職種がつながれる会があれば、互いにタッグを組んで高齢化する地域の問題も改善でき、最適なケアを提供できるのではないかと考えました。そして、地域の多方面にわたる専門職の方々にお声かけをして、所沢地区の地域包括ケアシステムの構築に取り組むことを目指した『とこ地区ささえあいを考える会』ができました」

「現在は、多くの賛同を得て、医師会、歯科医師会、薬剤師会、柔道整復師会、鍼灸師会、介護保険サービス事業者連絡会、所沢地区民生委員・児童委員協議会、所沢地区町内会連合会の代表が構成メンバーとなっていて、地域の医療や福祉の専門の方たちが互いに顔の見える関係になり、互いの専門性を理解し合い、意見交換ができる場となっています」

  • ところざわ地域ケアの会▲介護・福祉職が集まる『ところざわ地域ケアの会』

――「とこ地区ささえあいを考える会」ではどのような取り組みが期待できますか?

「例えばお医者さんは、1カ月1回15分間の診察で患者さんの治療方針を立てますが、私たち介護福祉士は、週に3回、それぞれ長時間接するので、お医者さんとは違う視点での気付きがあります。それは、薬剤師さんや鍼灸師さん、民生委員さんなどの専門職にとっても同様なので、それぞれの専門の立場からの気付きを連携し合い、方向性を決めてみんなでサポートすることができれば、支援を受ける高齢者の不安が軽減でき、認知症の重症化も防ぎ、住み慣れたご自宅でも過ごすことができる、つまり“地域住民の自助力”の向上が期待できます」

「所沢も高齢人口が増えて、今後は施設がいっぱいになってしまいます。後期高齢者人口がまもなく9万人になると言われている中、現在、市内の施設で預かれるのは2600人。今後は『とこ地区ささえあいを考える会』のような地域で支え合う仕組みが益々必要になると思います」

「こうして地域ケアの形が見えてきたところで、次のステップとして、地域の医療・福祉の専門職の方と地域住民が交流する場『とこ地区ささえあい塾』を設けることにしました」

地域の医療・介護職のアウトリーチで
住民の安心と自助力向上をめざしたい

――「とこ地区ささえあい塾」ではどんなことをするのですか?

「『とこ地区さえあいを考える会』の専門職のメンバーが、地域の集会所や公民館に伺い、地域の人たちに直接、介護や認知症の予防などについて伝える活動をします。これまで『健康長寿の大切さについて』『認知症の人の思いや家族の願い』『認知症にどう対処したらいいか』などをテーマに開催しました」

「私も認知症ケアの専門家として認知症の予防・改善法をお話しています。認知症ケアは脳血流を良くすることで予防・改善ができます。食事以外に最低でも1日に2リットルの水分を摂って脳血流をよくし、食事のバランスに気をつける。最近では、人が喜ぶことを考えそれを実行することが認知症予防になるという研究も発表されています。このような最近の研究データや事例も含めてもっと多くの方に認知症予防法についてお伝えしていきたいと思っています」

――「とこ地区ささえあい塾」を開こうと思われたきっかけは何ですか?

「以前、所沢地域包括支援センターがやっていた介護予防教室と体操教室を手伝わせていただいた時に気付いたのが、ほとんどの方が“介護”や“認知症予防”の正しい情報を知らないということ。また、地域のみなさんの所に伺って直接交流することで、現状が分かることも多く、“地域の今”を知ることが大切だということにも気付きました。そこで、『とこ地区ささえあいを考える会』の先生方に協力を仰ぎ、所沢地域包括支援センターがやっていた介護予防教室と体操教室を引き継ぐ形で、『とこ地区ささえあい塾』がスタートしたというわけです」

  • ささえあい塾▲正しい介護や認知症の予防が学べる『とこ地区ささえあい塾』

――手ごたえはいかがですか?

「とても好評です。所沢地区以外からも塾の開催を頼まれるようになり介護予防の発信の場がたくさんできました。一番大きいのは、地域のみなさんがこの塾に参加することで、開業医などの専門職の方と顔の見える関係になり、高齢者の安心につながったこと。『とこ地区ささえあいを考える会』のメンバーで、所沢医師会会長の京谷圭子先生は『この方法を所沢市全域に広げたい』と旗を振ってくださっていて、今、仕組み作りを行っているところです」

――増川さんの次の目標は何でしょうか?

「次の目標は、『とこ地区ささえあい塾』などに参加できない方たちにも介護予防についての情報を発信していくことです。それには、『とこ地区ささえあいを考える会』のメンバーの民生委員の方の力が欠かせません。『とこ地区ささえあい塾』などに参加できない方は、いろいろな事情を抱えていたり、生活のしにくさを抱えていらっしゃる方だと思います。その方に最も接してくださっているのは民生委員の方々で、地域の現状をよく把握していらっしゃるんですよね」

「本来は、地域の悩みは、地域で向き合って改善していくことがベスト。でも、残念ながら僕たち専門職の力だけではその部分が見えてこないのです。だからこそ、民生委員に方々から、地域の現状とニーズを『とこ地区ささえあいを考える会』に共有いただき、『とこ地区ささえあい塾』などに参加できない方に医療情報や認知症・介護予防の情報などをお伝えいただければ“地域住民の自助力”もアップできると思うのです」

パワーの源はスタッフの応援
「重症化しないまちづくり」を目指して

――増川さんの取り組みに対する精力的なパワーはどこから生まれているのですか?

「僕は、何かに気づいたら突き進む性質(たち)なんですよ。僕の考え方は基本的に性善説で、例え僕の考えに共感してもらえなくても、みなさん“誰かの役に立ちたい”と思っているはずだと信じているんですよ。みなさんの気持ちは“きっと同じ方向にあるはず!”ってね。またスタッフからの応援があるからこそ、自分がやろうと思ったことに突き進むことができているのだと思います」

――増川さんの最終的な夢を教えてください。

「目指していることは、“認知症を重症化させないまちづくり”です。大きな夢になりますが、そのための仕組みをつくり、老後も安心できて『この街で暮らして良かったな』と感じていただけるようになればと思っています」

  • デイサービス琴平

-インタビューを終えて-

「認知症のスペシャリスト」として、増川信行さんは所沢では知る人ぞ知る有名人。増川さんとのお話から受ける印象は“介護職としての誇りと喜び”。これだけ生き生きと“介護の可能性”を語ってくれる人はいないのではないかと思えます。

今回のインタビューの中で感じたのは、増川さんは“気づき”を確実に行動に移すことで“カタチ”にしていることです。

増川さんの活動の発端は、お父様の介護の時に感じた「介護の現状を改善したい」という強い願い。自身で介護と認知症の勉強をし、介護の現場に入り、現場を体験し、気づいた課題を目標に向かって1つ1つ解決・改善に向けて重ねていらっしゃいます。だからこそ、増川さんの言葉1つ1つに熱意と説得力を感じられるのだと思いました。

介護は、「介護される人と介護する人の“信頼関係”が大切」とおっしゃっていたように、増川さんがおこなう仕組みづくりも、様々な立場の人と信頼関係を築きあげる方法で達成されています。

介護や福祉に留まらず、様々な立場や考えの方たちが協力して地域の課題に取り組むことで、地域住民が歳を重ねても安心して過ごせる町になるのではないかと思いました。

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