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ほくとと

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NPO法人 ときめきライフ埼玉 理事長|磯 竹栄さん

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ほくととインタビュー#21

仕事や子育てを終え、第二の人生を歩み始めた方の中には、社会との関わりも少なくなり、毎日をなんとなく過ごされている方が多くいらっしゃるようです。「NPO法人 ときめきライフ埼玉」の理事長として活動をおこなう磯さんは、そんな方に健康で生きがいを持つ大切さを伝えています。生きがいは人生に張り合いをもたらし、健康寿命を延ばすことにもつながると考えているからです。今回はそんな磯さんに、ときめきライフ埼玉の活動内容と健康・生きがいづくりについて取材させていただきました。

磯 竹栄(いそ たけえ)さん

群馬県伊勢崎市生まれ。1999年にエーザイ株式会社を定年退職、1996年に「ときめきらいふクラブ(現NPO法人 ときめきライフ埼玉)」を創設。専門学校や企業などで健康と生きがいづくりに関わる講師を担当したほか、「所沢市社会福祉協議会 地域福祉推進会議」の市民委員なども務める。また老若男女問わず楽しめるユニバーサルスポーツ「ディスコン」を所沢地域に広める「所沢市ディスコン協会」の代表も務め、スポーツを通じたコミュニティづくりも推進している。

定年退職後の人生に不安を抱き、“健康・生きがい” づくりに目を向けた

――定年退職前から「第二の人生」について考え始めたそうですね。

私は地元の高校卒業後、エーザイ株式会社に入社し、定年まで勤め上げました。がむしゃらに働く社会人が「企業戦士」「働きバチ」と揶揄された時代に働き盛りを過ごした世代です。当時、私が勤めていた会社では、そんな仕事中心の生活を送ってきた人たちが定年退職後、途方に暮れないよう、55歳を迎える社員を対象にライフプランセミナーを実施していました。このセミナーで出された課題が、私の「第二の人生」について考えさせるきっかけになったのです。

その課題とは、「退職後の日常をどう過ごすか、24時間のスケジュールをつくりなさい」というもので、作成にとても苦戦しました。1日分なら何とかつくれます。しかし1週間、1ヶ月、1年となると、どのように計画すれば有意義な時間を送れるのか全く思い浮かばなかったんです。私は白紙のままのライフプランを見て「こんな何もない日々が定年退職後にずっと続くのか……」と末恐ろしくなりました。

これまで生活の中心だった仕事がなくなることで、共に切磋琢磨してきた仕事仲間と疎遠になるだけでなく、社会との関わりや収入がなくなる。そんな未来が「第二の人生」に待っているかもしれない。中でも人とのつながりが少なくなることに危機感を抱いた私は、いかに人や社会とのつながりを保ちながら定年退職後の生活を充実したものにするかを、その時から真剣に考え始めたのです。

――その頃から“健康・生きがい”づくりが始まったのですね。

はい。いろいろな知識を身につけていくうちに、定年退職後に必要なのは、これからの人生を楽しむための“健康”と“生きがい”だと感じました。“健康”とは、体の健康だけではありません。家庭が円満な状態であることも含まれています。自身の体と家庭の両方の状態が良いことが、人生には必要不可欠だと思います。

また、“生きがい”づくりには3つの手段(一般財団法人 健康・生きがい開発財団 提唱)があります。一つは一人称の生きがい。例えば、一人で詰将棋や絵描きなどを楽しむことです。次に二人称の生きがい。配偶者や友人など、誰かと二人で芸術やスポーツなどを楽しむこと。そして最後は三人称の生きがい。例えば交流クラブで複数人と何かを話したり、ボランティア団体で活動をしたり、少年野球団で監督やコーチを務めたりすることです。さらには、その三人称の活動で社会貢献するところまで発展させられると、より充実感や達成感が得られることと思います。私はこの三人称の生きがいとして地域貢献活動をしていこうと考えました。

多くの高齢者の居場所をつくりたい

――地域貢献活動はどのようにして始めたのでしょうか?

まずは、これまで共に健康と生きがいづくりについて学んできた10名程の仲間に声をかけ、月一回の頻度で定期的に集まっては、地域貢献するにはどのような活動が必要かの意見を出し合いました。その中で挙げられた「高齢者を元気にするための支援をおこなう!」という案を採用し、1996年に「NPO法人 ときめきライフ埼玉」の前身である「ときめきらいふクラブ」を立ち上げることになったのです。

「ときめきライフ埼玉」の活動目的は、高齢者の健康・生きがい・仲間づくりに寄与すること。そのためには社会や人とのつながりを持ってもらうことが必要だと考えているため、様々な場を提供しています。生きがいに感じる物事は人それぞれなので、私たちがつくる場にご参加いただいて、どれか一つでも皆さんの健康・生きがいづくりにつなげられると嬉しく思います。

  • 創設当初の様子▲活動団体の創設当初、メンバー間でおこなうディスカッションの様子

――「ときめきライフ埼玉」の具体的な活動内容を教えてください。

最も大きな取り組みは、創設より継続している「中高年いきいき講座」の開催です。この講座は地域住民が楽しみながら、健康や生きがいづくりについて学べる場となっています。毎回、講師をお招きして時事的テーマでの講演をおこなっていますが座学だけでは楽しめないので、前半は講演、後半はイベント・ショーを用意した2部構成で実施しています。直近では「人生100年時代の人生会議」と題した講演を聞き、その後フラダンスや津軽三味線のショーを楽しみました。本講座は毎回100名以上が集まり、一番多い時で240名集まったこともありました。

  • 中高年いきいき講座▲毎回多くの方が集う「中高年いきいき講座」

そのほか、どなたでも気軽に参加できる、健康と仲間づくりを目的とした親睦イベントも開催しています。例えば「ハイキング」。所沢を出発して狭山丘陵や日高市にある巾着田など、日帰りで行ける場所を選んでいます。「施設見学」も年に2回実施しており、工場や福祉施設、遺跡などを訪問して社会勉強をしています。見学時は現地で働く社員と交流するのですが、福祉施設を見学した際は施設職員とディスカッションの場を設けて、介護の現状や施設での暮らしについて様々なことを教わりました。

また、音楽鑑賞やモノづくりを体験したり、お茶菓子を楽しみながら談笑する「ときめきサロン」というイベントも年に4回実施しています。ちょっと誰かと話をしたいと思った時には、気軽に参加して何かを一緒に体験したり、時間を共に過ごすことで仲間づくりをしていただきたいです。

  • ハイキングの様子▲ハイキングで日高市の巾着田を訪れた際の様子

――どのような方が参加しているのですか?

所沢市やその近郊に住む中高年が多いですね。参加のきっかけは会員がクチコミでお誘いしたり、市の広報誌やホームページに掲載された情報を見たりというものなのですが、その後リピーターになって何度も参加してくれる方が多いので、皆さんの満足度が高いのだと思います。一度参加してみたら楽しくて、2回目、3回目と回数を重ねるうちに自身の居場所に感じてくるのでしょうね。

  • ときめきサロン▲ときめきサロンの様子

――「ときめきライフ埼玉」は、なぜNPO法人化したのですか?

行政と同等の立場で、より一層責任を持って活動するためです。一人でも多くの方が健康で生きがいを持って暮らせるようにするためには継続的な活動が必要なので、運営をより強化するために、きちんと組織化しようと考えました。また、活動の領域を広げるために、分野が異なる他団体とも連携を取っていきたいという考えも理由の一つです。

法人格になることで一層団体への信頼と認知度は高まったように感じますね。また、行政や社会福祉協議会等からも、一つの法人団体であると認めてくれるようになり、協力しやすくなりました。

スポーツは健康増進だけでなく、仲間づくりのきっかけに

――ときめきライフ埼玉以外の活動はされていますか?

スポーツを通じた“健康・生きがい・仲間”づくりも精力的におこなっています。私は卓球のスポーツ指導員としてだけでなく、「所沢市卓球連盟」という団体で大会を企画するなど、卓球に関わる活動を広くおこなってきました。スポーツは個人でも楽しめますが、やはり仲間が一緒だとやりがいも生まれるので長続きします。また、スポーツをやってきた人には“動きたい”という気持ちが根底にあると思います。いまは運動をしていなくても、何かをきっかけに“動きたい”気持ちが湧いてスポーツを再開すれば、仲間づくりのきっかけにもなると思います。そうした仲間と一緒に汗を流し、勝敗に一喜一憂することで、いつしかそれが健康且つ生きがいの一つになると私は思います。

以前、私が在籍している卓球クラブの仲間から「夫が定年退職して3年経つけど、家から出ない」と相談されました。旦那さんは子どもの頃に何をやっていたのかを尋ねると、旦那さんも卓球をやっていたことがわかったんです。それで「卓球クラブに連れてきたら?」と話したら、次の卓球クラブの活動日に一緒に来てくれました。一度参加してみたら“やりがい”を感じてくれたようで、今も楽しく体を動かしています。

  • 卓球クラブの活動風景▲磯さんが立ち上げにも関わっている「卓球クラブ」の活動風景

定年退職してから新しいことを始めるのはなかなかハードルが高いですよね。そこで「子どもの頃に何をやっていたか」「今、自分は何をやりたいか」「自分には何ができるのか」に着目して考えてみると健康・生きがいづくりのヒントが得られます。体を動かすのが好きではない人でも、自身を見つめ直せば「子どもの頃、絵を描いていた」「お裁縫は結構得意」など、きっと何かが見つかるはずです。

所沢市内でも、家に引きこもっている中高年は多くいらっしゃいます。頑なに家から出たがらない方もいれば、一方で何かやろうという気持ちはあるものの最初の一歩がなかなか踏み出せない方もいます。そういう方たちは、誰かの一言が体を動かすきっかけになることもあるので、ご家族や周囲の方は、ぜひお声がけしてみてほしいですね。

――卓球以外に力を入れているスポーツはありますか?

あまり聞き馴染みがないかも知れませんが、ユニバーサルスポーツ「ディスコン」の普及に取り組んでいます。世代間交流のツールとして使いたいと思って始めました。きっかけは十数年前に仲間から声をかけられ、ディスコンのインストラクター研修会に参加したこと。ディスコンとは床面でやるカーリングに似通った競技で、ストーンの代わりに赤と青のディスク(プラスチック製の軽い円盤)を使用します。ルールは5m×10mのコートの中で、赤と青のチームに分かれ、1チーム6枚のディスク(円盤)を目標となる黄色のポイントに向かって投げ、どちらのディスクがその黄色のポイントに近づけられるかを競うスポーツです。誰でも、すぐにできて簡単なので、老若男女や障がいの有無に関わらず、始めたその日から楽しめます。

ディスコンを通じて祖父母世代と孫世代が交流できれば、祖父母世代の生きがいにもなると思い、所沢市内に広める活動をおこなっています。今では町内会のレクリエーションや地区公民館の事業等でも取り入れられていますね。スポーツが苦手な方も、少しでも興味を持ったらぜひ参加してみてほしいです。

  • ディスコンの普及活動をおこなう磯さん▲世代間交流の一環で「ディスコン」の普及活動をおこなう磯さん(写真左)
人と人、そして社会との接点をつくり続けたい

――磯さんが考える“生きがい”とは?

生きるうえでの張り合い、でしょうか。例えば子どもがすくすくと成長する姿や、家族が日々健康に過ごしている様子に幸せを感じ、そのために頑張れる何かを感じられたら、それは生きがいと言えるでしょう。

私自身は、ときめきライフ埼玉の存続が一つの生きがいになっています。メンバーが楽しんで活動し、地域住民が私たちの企画したイベントに喜んで参加してくれる。そんな姿を見ていると、本当に嬉しくなります。そして私のこの活動は、家族の理解と協力が必要不可欠です。なので、いつも応援してくれる家族の存在も、私の生きがいなのです。

――最後に、今後の抱負をお聞かせください!

第一に家族の健康。そして、ときめきライフ埼玉の活動を継続し、地域住民に広く受け入れられるようになりたいです。また、行政や他団体とも連携して活動の分野を広げていくことで、より多くの方に“健康・生きがい”づくりの大切さを伝えられるようになりたいと考えています。そうすることで、長寿社会に寄与していけたら嬉しく思います。

  • 磯 竹栄さん

 

-インタビューを終えて-

日々、仕事や育児、介護などに追われる現役世代のどれだけが、第二の人生について考えているでしょうか。「定年退職したらのんびり過ごそう」「老後は田舎で家庭菜園でもしようかな」など、ふんわりと思い描いている方はいるかもしれませんが、どんな“生きがい”を持って生きていくかまで想像するのはなかなか難しいものです。自分は何に生きがいを感じられるのか。今から日々の暮らしの中でアンテナを張って、少しずつ探っていきたいと思いました。

私たち北斗不動産グループが目指している「住み良い安心した暮らしができる街」は、地域住民の皆さんが不安なく生き生きと暮らせる場所です。そんな街を実現するため、今後も磯さんのような地域活動に励む方々と共に、私たちも活動を続けていきたいと思います。

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